イラストとタミフル75mg

脳症が危険なインフルエンザ治療にはタミフルで

インフルエンザ脳症というのをご存知でしょうか。インフルエンザに罹った後に、意識障害やけいれんの症状が出るものです。ひどい時には血栓ができて多臓器不全となり、死に至ることもあります。
幼児に多く見られ、最近は罹患者は減少していますが、それでも侮れない病気です。
また、このインフルエンザ脳症と似たような症状を起こす例が他にもあります。
1つは熱性譫妄(せんもう)と呼ばれるもので、やはりインフルエンザで子供が高熱を出した場合に、幻覚を見たり異常行動を取ったりすることです。この状態は数時間で納まることが多いです。
もう一つはインフルエンザの薬である、タミフルの副作用によるものです。タミフルはかつて転落を引き起こした例もあり、副作用が問題視されて来ました。これにより、タミフルを服用するとその成分が脳内に移行し、それがもとで異常行動に至るともいわれています。実際、抗ヒスタミン剤を服用した場合は、その成分が脳に影響して異常行動に至るといわれています。
しかし、タミフルで転落死した患者の脳からはそれに該当する成分は検出されていません。
ただし異常行動に走りやすいこと、特に複数回タミフルを服用した患者にその傾向があることから、この複数回の服用というのが、何らかのカギを握っていると見られています。
またこの副作用は日本人に比較的多く、インフルエンザ脳症もまた日本人の発症頻度が高いことから、人種や民族によって違いがあるという見方もあります。
いずれにしても、インフルエンザに罹った場合は、タミフルだけでなく、他の原因で異常行動を取る確率が非常に高いこと、また、お子さんがタミフルを服用した場合は、階段などの段差のある場所、高い所に行かせないように気を付けるようにしましょう。